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相続手続きの基本|準備・流れ・必要書類・税対策まで解説

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相続手続きの基本|準備・流れ・必要書類・税対策まで解説

相続手続きって何から始めればいいの?・・・そんな不安を感じていませんか?

相続は、誰もがいつか向き合うことになる大切な手続きです。遺産の分け方や手続きの進め方に関して、「何を準備すべきか分からない」「家族でもめたくない」と悩む方も少なくありません。

特に近年は、家族構成や財産の形態が多様化しており、相続の複雑化が進んでいます。

しかし、基本的な流れとポイントをあらかじめ知っておくことで、慌てることなくスムーズに対応できます。

本記事では、相続の基本的な仕組みから、具体的な手続きの流れ、必要書類、専門家の活用方法までをやさしく解説。将来の“備え”として、ぜひお役立てください。

相続手続きの基本とは?

相続手続きは、遺産の内容や相続人の構成によって大きく異なりますが、基本的な流れや考え方を理解しておくことで、トラブルの防止やスムーズな対応が可能になります。

ここでは、相続とは何か、誰が相続人になるのかという「相続の基本」を解説します。

相続とは何か?

相続とは、被相続人(亡くなった方)の財産や権利・義務を、相続人が承継する法律行為です。

その対象者には、現金・預貯金・不動産・株式といった「プラスの財産」だけでなく、借金やローンなどの「マイナスの財産」も含まれます。

相続が発生するタイミングは、被相続人が亡くなった時点です。その瞬間から相続が開始され、法的には相続人が被相続人の財産に対して一定の権利を持つことになります。

ただし、実際の遺産分割や名義変更などは、戸籍の収集や遺産調査などの手続きが必要であり、一定の段階を踏むことで初めて完了します。

相続人の確認方法

相続人を確定することは、相続手続きの出発点です。誰が相続人に該当するのかを明確にしなければ、遺産分割協議を進めることができません。

民法では、法定相続人の順位が明確に定められています。配偶者は常に相続人となり、それに加えて以下のように順位が決まります。

  • 第1順位:子(直系卑属)
  • 第2順位:父母(直系尊属)
  • 第3順位:兄弟姉妹

たとえば、子がいれば親や兄弟姉妹は相続人になりません。

また、子がすでに死亡している場合には、その子(被相続人の孫)が「代襲相続人」として相続権を持ちます。このように、相続人には複雑なケースもあるため、被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集して確認することが大切です。

スムーズな相続手続きのための準備

相続は、被相続人が亡くなった後に始まるものですが、実は「生前の準備」がスムーズな手続きを大きく左右します。トラブルや手間を減らすためにも、事前にやっておくべきことは多くあります。

ここでは、財産目録の作成と遺言書の準備という2つの重要なステップについて解説します。

財産目録の作成

財産目録とは、相続対象となる財産と負債を一覧化した書類のことです。これを作成しておくことで、相続人が遺産の全体像を把握しやすくなり、遺産分割の話し合いも円滑に進めることができます。

財産の種類と評価方法

財産には以下のような種類があります。

  • 現金・預貯金
  • 不動産(自宅や土地など)
  • 株式・投資信託などの金融資産
  • 動産(自動車や貴金属など)

これらの評価は、相続開始時点の時価をもとに行います。特に不動産は、固定資産税評価額や路線価などを参考に評価する必要があります。

負債の確認と整理

忘れてはいけないのが、借金やローン、連帯保証などの「負債」も相続対象になる点です。

負債が多い場合、相続放棄や限定承認といった手続きも検討する必要があります。そのため、財産と負債のバランスを把握することが極めて重要です。

遺言書の作成

遺言書は、被相続人の意思を明確に伝えるための非常に有効なツールです。あらかじめ遺産分割の希望を示しておくことで、相続人同士のトラブルを避けやすくなります。

遺言書の種類と特徴

日本の法律では、主に以下の2種類の遺言書が認められています。

  • 自筆証書遺言:すべてを自筆で書く形式。費用がかからず手軽だが、形式不備による無効のリスクがある。
  • 公正証書遺言:公証人が関与して作成する形式。法的効力が強く、内容の安全性が高い。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、状況に応じて選択することが大切です。

遺言書作成時の注意点

遺言書には、以下のような注意が必要です。

  • 相続人全員にとって公平感のある内容にする
  • 財産の分け方だけでなく、特定の財産を誰に相続させるか明確に記載する
  • 作成日、署名、捺印など、法的要件を確実に満たすこと

また、遺言執行者を指定しておくことで、相続手続きがよりスムーズになります。

相続手続きの流れと必要書類

相続が発生した際には、多くの手続きと書類の準備が必要になります。時間や労力を要する作業ではありますが、段階的に進めることで円滑に対応することが可能です。このセクションでは、相続開始から遺産分割までの流れと、必要書類の準備について解説します。

相続開始から遺産分割までの流れ

相続手続きは、被相続人が亡くなった時点で開始します。具体的には以下のような流れになります。

相続の開始と必要な手続き

  1. 死亡届の提出(7日以内)
    • 戸籍のある役所へ死亡届を提出し、火葬許可証を取得します。
  2. 相続人の確認
    • 戸籍謄本をたどって法定相続人を確定します。
  3. 相続財産の調査・評価
    • 預金、不動産、有価証券、負債など、すべての財産を把握します。
  4. 相続方法の選択(3か月以内)
    • 単純承認・相続放棄・限定承認のいずれかを選びます。
  5. 準確定申告(4か月以内)
    • 被相続人の所得がある場合、亡くなった年の確定申告を行います。
  6. 遺産分割協議と協議書の作成
    • 相続人全員で遺産の分け方を話し合い、文書にまとめます。
  7. 相続税の申告と納付(10か月以内)
     相続財産の額に応じて、税務署へ申告と納付を行います。

遺産分割協議とその進め方

遺産分割協議では、相続人全員の合意が必要です。

不動産や株式など分割しづらい資産がある場合、現物分割、代償分割、換価分割などの方法を検討します。協議がまとまったら「遺産分割協議書」を作成し、署名・押印を行います。これは不動産の名義変更や金融機関への提出などに使用されます。

必要書類の準備と取得方法

相続手続きには多くの書類が必要ですが、準備を早めに始めることで手続きがスムーズになります。

戸籍謄本や住民票などの取得方法

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍・改製原戸籍を含む)本籍地のある市区町村役場で取得できます。郵送でも請求可能です。

  • 相続人全員の戸籍謄本・住民票
    • 現住所のある市区町村で取得します。
  • 被相続人の住民票除票
    • 死亡により住民登録が抹消されたことを証明する書類です。

財産に関する証明書類の準備

  • 不動産登記事項証明書・固定資産評価証明書
    • 法務局や市役所で取得し、不動産の評価や名義変更に使用します。
  • 預貯金通帳の写し・残高証明書
    • 各金融機関に依頼して取得します。
  • 有価証券の取引報告書・保有証明書
    • 証券会社などから取り寄せる必要があります。
  • 保険証券や契約書類
    • 生命保険や年金に関する書類も重要です。

相続税対策と専門家の活用

相続において見落とせないのが「相続税」です。

遺産の額や家族構成によっては、多額の税負担が発生することもあります。

ここでは、相続税の基本的な知識と節税対策、そして専門家のサポートを受けるメリットについて解説します。

相続税の基本と節税対策

税の計算方法

相続税は、被相続人(亡くなった人)の遺産総額から基礎控除を差し引いた課税遺産総額に対して課税されます。

  • 基礎控除の計算式
    3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
    たとえば、相続人が配偶者と子ども2人であれば、基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 3 = 4,800万円」となります。

これを超えた金額に対して、相続分に応じた税率(10%~55%)で相続税がかかります。

関連記事:相続税対策とは?基礎控除の計算・節税対策・今すぐ相談すべき理由を解説!

生前贈与や特例の活用

節税対策として有効なのが「生前贈与」です。

  • 暦年贈与:年間110万円以内の贈与は非課税となるため、数年にわたり少しずつ財産を移転することで課税対象を減らせます。
  • 教育資金の一括贈与特例:30歳未満の子や孫への教育資金贈与は、最大1,500万円まで非課税となります。
  • 配偶者控除:配偶者には1億6,000万円または法定相続分までの相続について非課税となる特例があります。

こうした制度を計画的に活用することで、大きな節税効果を得ることができます。

★関連記事:生前贈与の決定版ガイド|節税・相続対策・家族への想いを叶える活用法

専門家への相談のメリット

司法書士・税理士・弁護士の役割

相続手続きは専門知識が必要となる場面が多く、以下のような士業のサポートを受けることで安心して進められます。

  • 司法書士:不動産の名義変更(相続登記)や遺産分割協議書の作成などを担当します。
  • 税理士:相続税の申告・納付や節税対策の設計、財産評価に関する業務を担います。
  • 弁護士:相続人間でのトラブル対応、調停や訴訟など法的問題に強みを持ちます。

複雑なケースでの専門家の活用方法

以下のような状況では、早めに専門家へ相談することでトラブルや損失を未然に防ぐことができます。

  • 相続人が多く、関係が複雑な場合
  • 前婚の子がいるなど、相続人の確認が難しい場合
  • 遺産の中に不動産や未上場株式など、評価が難しい資産が含まれている場合
  • 遺言書が複数ある、もしくは形式に問題がある場合

また、最近では「無料相談」や「初回限定の相談パック」などを提供する専門家も増えてきて、相続に関する相談が身近なものになりました。早期にプロへ相談することで手続きを円滑に進められます。

相続手続きを円滑に進めるために

相続は誰にとっても無関係ではない、大切なライフイベントの一つです。

しかし、事前に正しい知識や準備がないまま相続を迎えると、手続きが煩雑になり、家族間のトラブルや思わぬ税負担につながるリスクもあります。

スムーズな相続を実現するためには、まず相続人や財産の確認といった「基本」を押さえたうえで、必要書類や税金対策の準備を行いましょう。

また、専門家のサポートを受けることで、不安や手間を軽減しながら、正確かつ円満な手続きを進めることができます。

「備えあれば憂いなし」です。

今できることから少しずつ進めていくことが、ご自身とご家族にとっての安心につながります。

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