相続手続きの中でも特に悩む人が多いのが、「不動産の評価」です。相続する土地や建物の価値を正しく把握しなければ、相続税の計算や遺産分割に大きな影響を及ぼす可能性があります。
とはいえ、
- 「不動産の評価ってどうやって行うの?」
- 「どこに相談すれば正確にわかるの?」
と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、相続手続きでの不動産評価方法をわかりやすく解説します。
基本的な評価の考え方から、具体的な評価手法、そして信頼できる相談先までを丁寧に紹介します。
相続手続きで不動産評価が重要な理由
相続手続きを進めるときに、土地や建物といった不動産の「評価額」を知ることはとても大切です。
なぜなら、不動産の価値を正しく把握することが、相続税の金額や遺産分割の進め方に大きく関わってくるからです。
ここでは、不動産評価がなぜ重要なのかを3つのポイントでわかりやすく解説します。
相続税の計算の基礎になる
相続税は、相続する財産の合計額に応じて計算されます。
その中でも不動産は、金額が大きくなることが多いため、評価額を正しく出すことが相続税の正確な計算につながります。
たとえば、同じ土地でも「路線価」や「固定資産税評価額」によって金額が異なることがあります。
評価を高くしすぎると税金を多く払いすぎてしまうこともあり、逆に低すぎると税務署から指摘を受ける可能性もあります。
そのため、相続税を適正に申告するためには、正しい不動産評価が欠かせないのです。
遺産分割の公平性を保つために必要
相続財産が複数ある場合、相続人同士で「誰がどの財産を受け取るか」を話し合う必要があります。
このとき、不動産の評価額をきちんと出しておかないと、「自分の取り分が少ない」「不公平だ」といったトラブルにつながることがあります。
たとえば、同じ価値の土地を分け合うつもりでも、実際には立地や形状によって価値が大きく異なることもあります。
こうした不公平感をなくすためにも、正確な評価を行い、全員が納得できる基準で分けることが大切です。
評価を誤ると「税金の過払い」や「相続トラブル」に発展するリスク
不動産評価を誤ると、思わぬトラブルを招くことがあります。
たとえば、評価が高すぎる場合は本来より多くの税金を払ってしまうことになり、逆に低すぎる場合は税務署から修正を求められる可能性があります。
また、相続人同士で「この土地はそんなに価値があるの?」「不動産会社に聞いた価格と違う」といった意見の食い違いが起きやすくなります。
こうしたトラブルを防ぐためにも、できるだけ早い段階で正確な評価を行い、必要に応じて専門家に相談することが安心です。
評価時に注意すべきポイント
不動産の評価は、ただ数字を出せばいいというものではありません。
評価の時期や物件の状態、立地条件など、いくつかの大切なポイントを正しく押さえておく必要があります。
ここでは、相続手続きで不動産を評価するときに注意しておきたい代表的なポイントを4つご紹介します。
評価基準日は「被相続人が亡くなった日」
不動産の評価は、相続が発生した日(被相続人が亡くなった日)時点の価値で行うのが原則です。その後に地価が上がったり下がったりしても、相続税の計算には影響しません。
たとえば、相続発生日が1月1日で、その後に土地価格が上昇しても、評価額は1月1日時点の金額をもとに算出されます。
この基準日を間違えてしまうと、税金の計算が誤ってしまう可能性があるため注意が必要です。
市場動向や地域の再開発計画も影響
不動産の価値は、周辺の土地価格や地域の開発状況によって大きく変わります。
たとえば、駅の新設や大型商業施設の建設予定がある地域では、地価が上昇傾向にある場合があります。
一方で、人口減少や空き家の増加などで需要が下がっている地域では、地価が下がることもあります。
このように、市場の動きや地域の将来性も評価に影響するため、最新の情報を確認しておくことが大切です。
建物の老朽化・リフォーム履歴を確認
建物の評価では、築年数や建物の状態も重要なポイントです。古くなって傷みが進んでいる建物は評価額が下がる傾向がありますが、リフォームや修繕を行っている場合は、その分価値が上がることもあります。
特に、外壁や屋根、水回りなどのリフォーム履歴は評価に影響します。「いつ」「どの部分を」「どのくらい修繕したのか」を把握しておくと、より正確な評価を受けやすくなります。
共有名義や借地権付きの場合は専門的判断が必要
土地や建物が共有名義だったり、借地権付きの物件だったりする場合は、評価が複雑になります。
共有名義では、それぞれの持分割合によって評価額を分けて考える必要があり、借地権付きの場合は「土地の所有権」と「借地権の価値」を別々に計算することになります。
これらのケースは専門的な知識が求められるため、無理に自分で判断せず、不動産鑑定士や税理士などの専門家に相談するのが安心です。
不動産の評価は、ちょっとした見落としでも大きな差が生じることがあります。
不動産の評価方法の種類
相続の際に不動産の評価を行うときは、目的や状況に応じていくつかの方法があります。
「相続税の申告をしたいのか」「遺産分割の参考にしたいのか」によって、使われる評価基準が異なります。
ここでは、代表的な4つの評価方法をわかりやすく紹介します。
1. 路線価方式(相続税評価額に使われる)
不動産の評価方法の中で、最も一般的で相続税の計算に使われるのが「路線価方式」です。
この方法は、国税庁が毎年発表している「路線価」に基づいて土地の価格を算出します。
路線価は、道路(路線)ごとに1㎡あたりの価格が設定されており、たとえば「前面道路が1㎡=20万円」となっていれば、その数値を基準に土地の形や奥行き、角地などの条件を加味して評価します。
一般的には、市場価格(実際の売買価格)の約80%程度が目安です。そのため、路線価方式は「売却価格より少し低いが、税金計算には適している」と言えます。
相続税申告では、この路線価方式が最もよく使われる標準的な方法です。
2. 固定資産税評価額による方法
次に多く使われるのが、固定資産税評価額をもとにした方法です。
これは、市町村が固定資産税を計算するために定めている評価額で、毎年送られてくる「固定資産税納税通知書」にも記載されています。
固定資産税評価額は、路線価よりもさらに低めに設定されていることが多く、
おおよそ市場価格の70%前後が目安といわれています。
相続税の計算には直接使われませんが、「ざっくりとした不動産の価値を知りたい」「遺産分割の参考にしたい」といった場合に役立つ方法です。
3. 実勢価格(市場価格)による方法
実勢価格とは、実際に市場で売買されている価格(=現実の取引価格)のことです。
近隣で似たような土地や建物がいくらで取引されているかを基に、評価を行います。たとえば、不動産会社が提供する「相場情報サイト」や「取引事例データ」などを参考にして、市場での価値を知ることができます。
この方法は、相続税申告というよりも、「不動産を売却したい」「遺産を分けるときに現金換算したい」というときに参考になります。実際の市場に即した金額が把握できるため、分配や売却の判断材料として便利です。
4. 不動産鑑定士による鑑定評価
最後に紹介するのは、不動産鑑定士による専門的な鑑定評価です。
不動産鑑定士は、土地や建物の立地条件・建物の状態・周辺の市場動向など、さまざまな要素を考慮して専門的に評価額を算出します。
たとえば、相続人の間で「この土地はいくらの価値があるのか」で意見が割れている場合、第三者である鑑定士に依頼することで、公正で客観的な評価が得られます。
また、複雑な土地形状や共有名義の不動産など、自分では判断が難しいケースでも、トラブル防止に役立つ信頼性の高い方法です。
評価時に注意すべきポイント
不動産の評価を行うときは、いくつかの大切なポイントを押さえておく必要があります。
同じ土地や建物でも、評価の基準日や周辺環境、建物の状態などによって価値が大きく変わることがあるからです。
ここでは、評価を行う際に気をつけたい代表的なポイントをわかりやすくご紹介します。
被相続人が亡くなった日」時点の価値
まず、評価の基準となるのは「被相続人が亡くなった日」時点の価値です。
たとえば、相続発生日からしばらく経って地価が上昇していても、相続税の計算には影響しません。逆に、評価時点を間違えてしまうと、税金の申告内容に誤りが生じる可能性もあります。
そのため、「いつの時点での価格なのか」を正しく把握しておくことがとても重要です。
市場の動きや地域の再開発計画によっても大きく左右される
また、不動産の価値は市場の動きや地域の再開発計画によっても大きく左右されます。
駅の新設や商業施設の建設が予定されている地域では、地価が上昇傾向にあることが多く、逆に人口が減少しているエリアでは、地価が下がることもあります。そのため、評価を行うときは、最新の市場動向や自治体の開発計画を確認しておくと安心です。
建物の状態やリフォームの履歴も評価に影響
さらに、建物の状態やリフォームの履歴も評価に影響します。
築年数が古く劣化が進んでいる建物は価値が下がる傾向にありますが、屋根や外壁、水回りのリフォームを行っている場合は、その分評価額が高くなることもあります。
もし修繕工事を行っている場合は、いつ・どの部分を・どのくらいの費用で修繕したのかを記録しておくと、評価を依頼する際にスムーズです。
共有名義や借地権付きの不動産は評価が複雑になりやすい
そして、共有名義や借地権付きの不動産は評価が複雑になりやすいため注意が必要です。
共有名義の場合は持分割合によって評価を分けて考える必要があり、借地権付きの場合は「土地の所有権」と「借地権の価値」を別々に評価します。
これらのケースでは、一般の人が自分で判断するのは難しいため、不動産鑑定士や税理士などの専門家に相談するのが安心です。
不動産の評価には多くの要素が関わっています。評価を正確に行うためには、物件の情報を整理し、必要に応じて専門家のサポートを受けることが大切です。
不動産評価で迷ったらどこに相談すべき?
相続手続きの中でも、不動産の評価は専門知識が必要になる部分です。
「自分で調べてもよくわからない」「この評価で合っているのか不安」と感じたときは、早めに専門家へ相談するのがおすすめです。
ここでは、相談先として頼れる4つの専門家と、それぞれの特徴を紹介します。
1. 税理士
相続税の計算や申告が必要な場合は、税理士への相談が最適です。
税理士は、土地や建物の評価額をもとに相続税を正しく算出し、過不足のない申告ができるようサポートしてくれます。
また、相続税を少しでも抑えるための節税対策や評価減のポイントについてもアドバイスしてもらえます。
「どの評価方法を採用すべきかわからない」という場合も、税理士に相談することで安心して手続きを進められます。
2. 不動産鑑定士
評価額を正確に知りたい場合や、相続人の間で意見が割れている場合には、不動産鑑定士がおすすめです。
不動産鑑定士は、土地や建物の立地・形状・周辺環境・市場動向などを考慮して、公平で客観的な評価額を算出します。
たとえば、「この土地はいくらの価値があるのか」「他の相続人が提示した金額が妥当なのか」といった疑問にも、専門的な根拠をもとに説明してもらえます。
特にトラブルを避けたい場合や、相続財産が高額なケースでは、不動産鑑定士の意見を取り入れると安心です。
3. 司法書士・行政書士
不動産の名義変更や相続登記など、手続き面のサポートを受けたいときは、司法書士や行政書士が頼りになります。
相続が発生すると、「登記簿の名義変更」「遺産分割協議書の作成」など、複雑な書類手続きが必要になります。
司法書士は法的な登記の専門家として、書類作成から登記の申請までを代行してくれるため、自分で手続きを進める手間を大きく減らすことができます。
「評価は終わったけど、登記や手続きが進まない」という方にもぴったりの相談先です。
4. 不動産会社
相続不動産を売却する予定がある場合や、実際の市場価格(相場)を知りたい場合には、不動産会社への相談がおすすめです。
不動産会社は日々の取引データや地域の相場に詳しく、「今売るならいくらで売れるか」「どのくらいの期間で売却できそうか」といった実践的な情報を提供してくれます。
また、複数社に査定を依頼すれば、市場での価格感をより正確に把握することもできます。相続後に売却を検討している方や、遺産分割で金額の目安を知りたい方に向いています。
正しい不動産評価で円滑な相続手続きを
相続における不動産評価は、すべての手続きの出発点といえます。
土地や建物の価値を正しく把握することで、相続税の計算や遺産分割の方針をスムーズに立てることができます。
逆に、評価を誤ってしまうと税金の過払いが起きたり、相続人同士のトラブルにつながることもあります。
不動産の評価には、路線価方式・固定資産税評価額・実勢価格・鑑定評価などさまざまな方法があり、どの方法を使うかによって金額が大きく変わることがあります。
そのため、「なんとなく」で判断せず、評価の目的(税申告・分割・売却など)に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。
もし「どの方法が正しいのかわからない」「金額の差が大きくて不安」と感じたら、早めに税理士や不動産鑑定士などの専門家に相談しましょう。
専門家に依頼することで、評価の根拠を明確にし、相続人全員が納得できる形で手続きを進められます。
正確な不動産評価ができれば、相続もスムーズに、そして安心して進めることができます。
不動産評価や相続手続きでお悩みの方へ
相続手続きは、初めて経験する方にとってわかりにくいことが多いものです。
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